障害者と差別表現。
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障害者と差別表現 生瀬克己 著 明石書店 |
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ISBN4-7503-0578-2 C0036 P2350E |
だそうです。巻末の明石書店の本の紹介にそう書いてありました。
明石書店の本は人権問題関係の本が多いですね。
この本は、差別表現に対する、障害者と健常者との認識のギャップに対して論考されています。
”差別表現”をなくすことが本当に”差別”の解消につながるのか?という問題提起であると私は感じました。
”差別表現”の中にどんな歴史的な背景があり、現状とその”差別表現”のもつ意味との乖離を理解することが大事だと書かれています。”差別表現の抹殺”が、”差別があったという事実”の抹殺の危険性を述べています。
なぜ差別表現が存在してきたのかを理解しないと、単に言葉の上で差別をなくしても、現存している差別の解消につながらない。著者は障害者側、健常者側のそれぞれの問題点を指摘されてます。
差別表現が差別を生んだのでなく、差別が差別表現を生み出してきたのであれば、差別の解消こそが差別表現の解消になるのだとサワグチは思います。障害者基本法、身体障害者福祉法の制定、 昭和56年(1981年)の「完全参加と平等」をテーマとした「国際障害者年」以降、この数十年の間に、障害者を取り巻く環境は変わりつつあります。
そのような流れの中で、差別表現がその内包していた意味を失いつつあると思います。
ここで差別表現を挙げるわけにはいかないので、分かりやすい事例を一つ。
”めっきが剥げる”という表現があります。広辞苑の第四版には
[外面の飾りがとれて悪い中身が暴露する。本性があらわれる。地金がでる。]
と書かれています。これは、メッキが時間が経つと剥がれやすかったことからこの表現が生まれたんだと思います。
ところが最近、メッキ業界から、”この表現は不適切”との申し入れがあったと新聞に載ってました。
最近のメッキは技術の進歩により、”剥げない”のだそうです。
”めっきが剥げる”ことが無くなってしまい、”めっきが剥げる”という言葉のイメージを伝えるのが困難になってしまったんですね。
同様に、差別表現も時代の変化の中で表現として適切でなくなりつつあります。差別表現が持っていたイメージが無くなってきているんですね。
この本を図書館で手にして、借りてしまった理由の一つが、巻末資料に
「障害」とその人にかかわることばと「広辞苑」
「障害」に関する日本のことわざ
国語辞典の「障害」の語釈比較
が載ってたからです。「広辞苑」初版〜第四版の差別表現に対する記述の変遷がよくわかるし、「障害」に関する日本のことわざってこんなにあったのかとちょっとびっくりしました。
読書の春?(大分県立図書館編)第二弾でした。
99/04/07(Wed)
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